過日のブログにて故人をお送りする儀式、お葬式について少し語らせて頂き、其の有りようが近年では随分と変化してきましたことをお伝え致しました。
お葬式は故人やご家族にとりまして、とても大事な儀式では有ります。
過日のブログだけでは、なぜに大事に致さねばという部分が伝わっていない気が致しました。
仏教の教え、即ちお釈迦様の教えを守り佛の道を歩もうとする者にとりまして、基本的且つ最も根本的な修行の心得を仏教では「戒」(かい)、「定」(じょう)、「慧」(え)の三学と云います。
「戒」はあの戒律、悪を為さずに戒めて善を行じること。
「定」はそのまま禅定の定で心を安定させて精神の統一を目指す。
「慧」は智慧の慧、煩悩を断ち真実の目を開くこと。
この三つを常に行じることが、仏道の完成を目指すために必要なこととされます。
戒名(法号とも云います)とは、これから佛の道を歩む者が戒を守ることを誓い、仏法に帰依して佛の弟子となった証に頂く名前なのです。
本来は、クリスチャンネームと同様に、戒名もまた生前に授与されるのが原則なのです。
近世では、檀家制度が確立しましたので、死後にお寺の和尚から葬儀のなかで頂くというのが一般的になりました。
ただし、最近でも生前に戒名を授与される方もおられます。
葬儀が始まりますと、お坊さんが「法号を授与す」という段がございますが、皆さんはお気づきでしょうか?
水子供養へお越しの若い世代の皆さん、お檀家さん共に葬儀へご参加なさる機会はあろうかと存じますので、その際には是非注意して聴いてみてください。
お葬式は、故人を「お浄土」へ送る儀式ですので、先ずは故人に仏教の帰依者になって頂かねばなりません。
そこで仏様とご縁を結んで頂く為に葬儀式の中で戒を授け、その証として戒名を故人にお授け致します。
葬儀式というものは、故人と生者のお別れの儀式であると共に、故人を無事に「お浄土」へお送り致すための儀式なのです。
戒名(法号)には、そのような意味があるということを頭の隅にお置き頂きたく思います。
ただし、戒名授与を希望されず、故人の戸籍のお名前で故人をお送り致したいとのご希望の時は、当院にその旨、意思表示をされご相談為されたら良いかと存じます。
気がつけば十二月、新しい歳ももうすぐそこまで来ています。
本山通天橋の紅葉も、ほとんどが散り落ちてしまい、少し寂しくなりました。
しかし、散り落ちた紅葉が絨毯が一面に地面を覆い、それはそれで綺麗です。
機会が御座いましたら、是非お越し下さい。
霊源院の限定御朱印も今月2日にて終わりました。
今年も多くの皆さんとご縁が頂戴でき感謝です。
有り難う御座いました。
今年は何より、本堂のご本尊、千手観音様へ皆さんが熱心にお手合わせ頂く姿を多く拝見致すことが出来感無量です。
この良きご縁を増やすために今後とも様々な機会をお造り致したく思っております。
どうぞ、宜しくお願い申し上げます。合掌