所謂、禅宗といわれる臨済宗、曹洞宗、黄檗宗ではトイレのことを東司(とうす)と呼称致します。
私たち禅宗の僧侶は修行時代からトイレはその呼び名が常なので、寺に戻りお檀家さん、永代供養墓の墓主さんの法要にてご自宅にお邪魔致し、たまたまトイレをお借り致します時、東司をお借り出来ますか?とお尋ね致し、ポカンとされた経験があります。
或いは、水子供養へお越しの方がトイレを借りたいと、申し出られた時、ああ、東司ですか?と何気にさらりと言い、あっけにとられたことがあります。
馴染みの無い言葉なのですが、東に仕える、つまり東西南北の最初のポジションに位置する重要な所という意味ではないでしょうか。
人間にとって例外なく毎日お世話になる場所、無くては為らない場所の筆頭です。
なのに、不浄な場所とのイメージがあるように思います。
故に、禅宗ではトイレ守護の神様、「鳥枢沙摩明王」(うすさまみょうおう)をトイレに祀り、お祀り致しています。
しかも、「うっさん」と親しく呼ばれるほどに大事な神様です。
そういえば、何年か前に女性の歌手が(トイレの神様)という歌を歌い随分と町に流れた記憶があります。
正しく、あの歌の通りなのです。
良い歌の歌詞とその意味の正当性に感心致した記憶があります。
臨済宗はありませんが、曹洞宗では今でもトイレに入るときの細かい作法があるそうです。
それ程に臨済宗、お寺にとっては大事な場所ということがご理解頂けるかと思います。
そして、東福寺の本山には重要文化財の大禅堂という建物があります。
これは、鎌倉、室町期に100人が座禅を出来、修行を致す場所として作られた壮大な建築物です。
その禅堂の横にこれ又、重要文化財の東司(とうす)、トイレがあります。この建物は又、いっそう興味深い重文の建物です。
外から見学出来ますので、東福寺へお参りの節には是非、見学下さい。
霊源院はお檀家さん、永代供養墓、水子供養のお参りの皆さんがご利用できます様にお墓へ行く途中に男女別、別のトイレが御座います。
以前は男女共用でしたが、皆さんのご要望にて男女別々ののトイレに2年ほど前に綺麗に作り変えました。
今は清潔な環境を保持致する為に、Iクリーンさんという業者さんに週に一度お掃除頂き、綺麗な環境を保っています。
ご利用の皆さんも丁寧にお使い頂いていますので良い環境が保たれています。今後とも、宜しくお願い致します。
水子供養、法事へお越しの皆さんがご利用頂くトイレがやはり3か所御座います。
此方は基本、私が掃除させて頂いております。
禅宗の僧侶にとってトイレ掃除は基本中の基本です。
皆さん少しびっくりなさる方もおられるかもしれません。
私はトイレに直接スポンジを持ち、手を突っ込み、直に洗います。
隅々まで、細かく洗えます。
常にお掃除を致しましたら、少しも嫌悪感はありません。
でも、少し掃除をさぼりますと、やはりためらう汚れとなります。
しかしながら、それ程にトイレ掃除は重要な位置にあるのです。
家の中のお掃除も毎日していないとおっくうにになり、直ぐに汚れてきます。
そして、自分の心も磨くこと、自省することを怠けていると心も悩みや欲望でどんどん汚れていくのではないでしょうか。
トイレ掃除に限らず、掃除をこまめに致す時に、心の掃除は大丈夫かと問いかけながら掃除を致したいものです。
貯め込んでしまうと掃除は大変です。
その時、その時、油断なく掃除を致したいものです。
もちろん、心のお掃除もお忘れなく。
昨日、永代供養墓のご見学をお勧め致しました。
早速に生前墓として浄心壇のご見学に大阪からご夫婦でお越し下さいました。
石太郎(石屋さん)さんの案内でゆっくり見学頂き、本堂もお申込みを頂きました後、私もお会い致し話をさせて頂きました。
2年前にもご見学にお越しになられて、この間に色々な場所のお墓を見学されたそうです。
とてもお寒い中有難う御座いました、お礼申し上げます。
ご縁が頂けましたらと願います。
引き続き、何時でも見学は可能です、お待ち致しております。合掌
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
大本山東福寺塔頭 霊源院