私もお坊さんと皆さんから呼んでいただくようになって、35年近くになります。
大学を出て、わづかですが修行道場へ入門致し、修行の入り口を少し舐めて霊源院へ戻って参りました。
お寺に戻ってからは、僧侶としての基本を先ずもって師匠に教えて頂きました。
その中にはもちろんお経のお勤めの仕方、檀家さんとお会い致す時の作法等、様々なご教示を頂きました。
暫く致して、やっと檀家さんの法事、法要、お参りへ派遣させて頂くようになりました。
あれから35年が過ぎて、今では水子供養でご縁を頂戴致したり、永代供養墓の皆さんのお宅へお参りもさせていただいております。
私が駆け出しの僧侶の時は、毎月お家へ直接お邪魔を致し仏壇の前でご先祖のご回向を致す月忌参りをさせていただくお檀家さんが沢山おられました。
その頃は何処のお寺もそうだったと思いますが、霊源院も割と多くのお宅へ御邪魔致した時代でした。
もちろん、比較的長くお付き合いを頂くお家もあれば、短いお家もあり、それは様々でしたが。
お寺にとっては毎月お邪魔致し、お勤めの後はお布施を有難く頂戴致しておりました。
それだけでも有難いのに、お勤めの後にはご丁寧な茶菓を頂戴致し、若い私にとってとても参考になるお話をお家のご年配の皆さんに頂けました。
本当に有難く、嬉しい時代でした。
その中で、もちろん今日までお参りを継続頂いているお家も当然あります。
感謝です。
しかし、そんな中でそれこそ20年25年と続く中で、ご自身方の加齢を含め、種々の事情によりご縁が切れているお家もあります。
ただ、寺の行事にお越し下さるなどで、ご縁は続いております。
残念なことですが、本当に親しく、密にお付き合いは頂戴致しておりましたお宅が、加齢や体調不良が原因で何年もお目に掛かれず今日に至っているお家も何軒かございます。
お元気にお過ごし頂いておれば、全く問題はありません。
本当に密に親しくお付き合いのあったお家の奥さんがお亡くなりになられました。
遠いお身内からのご連絡では、お葬式も出来なかったそうです。
全く考えも致しませんでした。
ご主人が先にお亡くなりになり、奥さんがお寺へのお気遣いを欠かさず、お墓守りをなされていました。
今回のような事態の時には必ずご連絡が来るものと信じていました。
お子さんがおられぬことも災い致しました。
幸いに親戚の方が、遠い親戚にもかかわらず、霊源院の連絡先を見つけて電話をいただきました。
お世話になった奥さんのお骨は、今は本堂でお預かり致しております。
いずれは、先祖代々の霊源院のお墓へ埋葬させていただくこととが叶うと思います。
遠いご親戚の方々には、当院の連絡先を見つけていただいたことを感謝申し上げます。
もしかして縁起でもないと、お叱りを受けるかもしれませんが、お葬式の生前予約についてお話をさせていただきます。
以前に霊源院のお骨葬をご紹介いたしました。
お骨葬を提案させていただく事になりましたきっかけは、先ほどお話をさせていただいたような事が起こるのではないかと心配をしていたからです。
ご縁を頂いているお方様には、最後の故人のお送りたる、ご葬儀をお受け致したく思っています。
これまでお世話になったことへのお返しであり、又、故人をお送り致すことを端折ってはならぬと信じているからです。
生前のお葬式の段どりや細々したことまでを決めてしまうのは、もしかして難しいことなのかもしれません。
ただし、このような相談を重ねることで、気が付く問題点もあるかと思います。
相談を致したいのだがというお方様がおられましたら、全く遠慮は無用です。
どうぞ、お声掛け下さい。
ご相談頂くことで、心が少しでも軽くなればご縁を頂きました甲斐があります。
何故このような話をさせていただいたのかという所を少しでもおくみ取下さいましたらと思います。合掌
大本山東福寺塔頭霊源院
京都市東山区本町15丁目791
電話 075-561-9684