永代供養墓のご紹介でお世話になります、オフィス石太郎の柳田です。
筆者は墓石に携わる仕事をさせていただくようになってから30年が経ちます。
関西出身ですので、あまり郷里への思いというものを感じることもなく過ごしてまいりました。
ご担当をさせていただきましたお客様の中には、「本当は田舎のお墓に入りたいんだけど」と仰られた方もおられました。
女性は結婚の際に実家を離れて嫁ぐという決心をされたと思いますので、男性のお客様が多かったように記憶しています。
田舎にお墓を造っても、遠方のため家族がお参りするのは大変ということはご自身も理解されていますので、結局はお墓参りが可能なエリアで新しくお墓を建てていただいてまいりました。
当時は営業だった筆者も、「田舎にお墓を造ってもご家族が大変ですよ」などと事務的な説明をしていました。
先日、奈良のお寺さんを取材させていただいた際に、ご住職との雑談の中で、「生前建墓の方で、ご先祖さんのお墓の土を持ってくるように勧める営業さんは多いのですが、帰郷されたついでに、子供の頃に過ごした思い出の場所の土も一緒に持って来てくださいと、お伝えすることもありますよ。」というお話をお聞きしました。
田舎にお墓を建てたいと思われる理由は、お客様によって様々だと思いますが、ご住職のお話をお聞きして、ハッとさせられてしまいました。
お客様の気持ちに寄り添うことが出来ていなかった自分を思い知らされてしまいました。
楽しかった思い出の地へ出向き、場所を巡りながら記念品として少量の土を持ち帰り、新しく出来上がった墓石に納めるということが、とても素敵なことのように感じてしまいました。
今までの筆者は、「ご夫婦がご健在の間にお墓を確保しておかないと、ご主人が亡くなられた時に奥様はお嫁さんという立場から、ご親戚の方々の意見を無視できなくなり大変ですよ」という感じの、マイナス意見の説明ばかりをしてまいりました。
奈良県にあるお寺のご住職のお話にとても共感いたしましたので、「郷里で過ごした日々に感謝をし、心機一転な気持ちで新しくお墓を建てていただく」というアドバイスができる自分になりたいと、精進したいと思います。