禅語『悟無好悪』

2021.07.09

京都市東山区東福寺霊源院のブログ「住職徒然記」

禅語「悟無好悪(さとればこうおなし)」

2021年7月9日

梅雨の時期の通天橋の青紅葉

7月に入ってからは、ずっと雨の日が続いています。

7月7日の七夕祭も雨天で星空を拝むことが出来ませんでした。

昨日の天気予報では、本日も一日雨予報でしたが、午前中は晴れ間ものぞいていましたので通天橋に行ってみました。

例年では、桔梗の咲くこの季節は、東福寺も京都観光のルートになっていたようで、駐車場には観光バスの往来があり他府県より沢山の方がお越しでした。

コロナ禍になってからは、観光にお越しの方がとても少なくなりましたので、本日も通天橋に行く人はまばらでした。

通天橋の中央付近に立つと、眼下には梅雨の時期ならではの輝く青紅葉の波を独り占めすることができました。

橋の下を流れる洗玉澖がせせらぐ音に癒されながら静かな時を過ごさせていただきました。

東福寺通天橋

通天橋の西側にかかる臥雲橋から眺めた通天橋を写してみました。

梅雨だからこそ、楽しめることもあるということを知って頂きましたら嬉しいです。

今回紹介させていただきます禅語は、梅雨も悪くは無いですよのお話と関係致します。

禅語:悟無好悪

『悟無好悪』悟れば好悪なしという短い禅語です。

この人はどうも苦手だなと思いながら話をしてみますと、存外に良い人であることがあります。

また、期待をもって話をしてみたのですが、意外にがっかりした経験をお持ちの方も多いと思います。

好き嫌いの基準ですが、第一印象からの思い込みだけで決め込んでいることは無いでしょうか。

好きだの嫌いだの、得だの損だの、先入観だけの頭で判断せずに、まずは受け入れてみたら意外と良し悪しがハッキリ見えてくることがあります。
先入観にだけ頼って、その後の判断をすることは自分で世界を狭めていることになります。

まずは聞いてみる、しっかりと見てみることが出来ましたらば世界はもっと広がるように思います。

年を重ねて、頑固になってきた自分や、偏見の目で見ている自分に気づくことがありましたら、『悟無好悪』という禅語を思い出してみてください。

被災者の方々には心よりご祈念申し上げます

まだしばらく強い雨が続くようです。

雨の被害はこれ以上広がらないことをお祈りいたします。

静岡を始め各地の雨の被害を被られておられる皆さんは辛い日々が続いてらっしゃいます。

くれぐれもお体をご自愛頂き、少しでも早い回復を頂きます様、再度心よりご祈念申し上げます。合掌

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