あれ程賑やかに鳴いていましたミンミンゼミが退場致し、ひぐらし蝉がかなかなと寂しく鳴き、今は秋の虫の声が主役の季節になりました。
日中はまだまだ残暑に悩まされる日もありますが、随分と過ごしやすい日が続いています。
過行く日の速さには相変わらず圧倒されてしまいます。
コロナ禍との攻防も先が見えず、いささか疲れたようにも感じます。
少しでも早く以前の日常が戻って欲しいと切に願います。
コロナは日常の暮らしはもちろん、様々なことを変えてしまいました。
以前にお話しいたしましたようにお寺の柱たる、葬儀、法事も随分と変化いたしました。
皆さんの大事な故人をお供養致す儀式の法事、大事なお方をお送り致す葬儀式さえも相当な変化が押し寄せています。
しかし、どのように変化いたそうとも故人を弔う、故人の追福を願う儀式の大切さは何ら変わりません。
只、変化に対応いたして行くことは避けようがないように思いますと共に、私たち僧侶も儀式の大切さを工夫して皆さんに発信せねばならぬことも事実です。
最近、2件のご縁のお方様から生前戒名を頂戴致したいとのお申し出がありました。
お寺や僧侶としては大変有難く、嬉しいお申し出です。
それはお寺との繋がりや僧侶との縁を大切に考えてくださるお方様の気持ちを実感致すことが出来るからです。
多くの場合に戒名は、ご縁のお家にご不幸が発生致して、葬儀を執り行うときにお授け致すというのが大半です。
もともと戒名とは、仏の教えを信じて実践致しますとの思いから、仏教徒としての拠り所となる名前です。
そのため、禅宗では四文字の中にそのお方様の人となりや、或いは仏教徒として正しく生きて頂くための戒めや禅の教えが込められています。
そして、いよいよお亡くなりになられた時には、よく見聞き致されますところの、院号や居士・大姉等の位号をお寺に授けて頂くことになります。
葬儀社さんの紹介などの場合では、過去に面識のない方や、その人となりと触れ合う機会がなかったということが多いため、故人のお名前から一文字、季節、故人の趣味、性格をお聞きいたしつけることが殆どになっています。
この事もあって、霊源院とご縁の皆さんとは、お近づきになれる場を出来るだけ作らねばとの思っております。
生前戒名では、お申込みの方とお話しを致し、お顔合わせの後に時間をかけてじっくりと用意致すことが出来ます。
そして戒名をお受けになられた方も、その戒名に相応しい生き方を目指し、実践頂くことが可能となります。
人がお亡くなりになられた時に頂く名前の戒名ではなく、現在を生きていくご自身の道標となる名前としての生前戒名を是非考えて頂きたいものです。
霊源院では永代供養墓の皆様にご案内いたし、多くのご縁を頂戴致しています。
お墓の譲渡証の項目の中に永代供養登録者の項目があり、そこにはお元気にお過ごしのお方様の永代供養登録として生前登録を致しています。
それと同様に多くの皆さんがそこへ、生前戒名を登録いただけましたら、嬉しいことです。
未だお寺とご縁の無いお方様も含め、お気軽にご相談下さい。合掌
京都市東山区本町15丁目791
東福寺塔頭霊源院
住職 竹内 希元
電話 075-561-9684