過日の夕方に、お墓に供えられて枯れた花を片付けるため墓地を見回りに行きました。
暗くなり始めたので今日はここまでにしようと、お寺の中に戻ろうと裏玄関まで来ました時に、門の辺りから明るい笑い声が聞こえてきました。
若いお母さんと女の子が二人がお参りにお越しになりました。
「こんにちは」とお声を掛けますと、「こんにちは」とお返し下さり「おばちゃんのお墓にお参りに来ました」と元気にお声掛け下さいました。
日が落ちてきていますので気お付けてお参り下さいと申しますと、「ハイ、でも明るいから大丈夫です」とのお言葉を頂きました。
お花を抱え、お墓へ皆さんで楽し気に向かわれました。
そういえば、夏を迎え、日の暮れが随分と遅くになりました。
本当に暗くなるのは7時過ぎでしょうか。
これからは更に日の暮れが延びます。
かつてはお墓参りは日の暮れ前に済ませなさいということが喧しく言われて参りました。
これは、墓地は町はずれの寂しい場所にあったり山の斜面にあることも多く、動物も多くいる所にありました。
お墓の場所によってはお墓参りの節は蛇、獣に注意の看板さえあるところもあるくらいです。
夕方のお墓参りは、供養をを行う上では悪いわけではありません。
お墓参りに行く人が危険な目に合わないための先人の知恵としての教訓ではないでしょうか。
その為でしょうか、お寺の閉門も今だ四時位の所が多いように思います。
しかし、霊源院も含め、都市部のお寺の境内墓地は、もちろん獣が来ることもなく、明るい環境にあるところが多いと思います。
霊源院は参道に明るい電気が日の暮れからは点灯致し、隣の高齢者施設からの明かりも十分にお墓を照らしてくれます。
朝は七時から夜九時まで通用門を開けています。
これからはうんざりするくらい暑い日々が続きます。
日暮れ時、十分に日が落ち少し暗くなった頃の夜のお墓参りは熱中症からお参りの皆さんをお守り致すという意味でも有効な気が致します。
もちろん、お墓参りは気候、体調的に問題が無ければ日中であるに越したことはありません。
只、お仕事帰りにちょっとお墓参り、大事な故人へお声掛けにという気軽な気持ちで夜間のお墓参りも悪くはないと思います。
お越しのご家族のように普通に夜にお墓参りが定着致しても良いような気が致しています。
そして、お参りの機会が増え、身体的に負担がかからぬよう出来ますようにお参りの時間へのこだわりは無くしても良いかなとも又、思います。
もちろん、これからも皆さんのお参りの様子を拝見いたし、よりお参りがし易いお寺を目指すという前提ではあります。
私の師匠のお寺龍眠庵も山門が綺麗になり、お墓、永代供養墓、樹木葬墓共に明るくお参りのし易いお墓となりました。
龍眠庵は入り口は階段が無くフラット、そして駐車場の真ん前で常に街灯に照らされていますので霊源院よりも更に夜のお参りが容易かと存じます。門を入りお墓迄も距離が短く、ご高齢の皆さんもお参りが楽ではないかと思っています。
此方も時間に捉われず、お墓参りが出来ます。
多くの皆さんのお墓参りをお待ち致しています。
龍眠庵、霊源院共に花の少ないこの時期に皆さんにお楽しみ頂きたく、今年は桔梗の株を植木屋さんに多い目に植えて頂きました。
これから暫くは紫の華凜な桔梗の花を楽しんで頂けると思っています。
お墓参りの節には此方もお忘れなく。合掌