霊源院指定石材店のオフィス石太郎です。
先日、知り合いの石材店さんとお話をしていましたが、最近は手元供養を希望する方が多いとのことでした。
そちらの石材店では、手元供養用品の卸や販売をしていますが、年々売り上げが伸びているそうです。
本項では、手元供養について感じたことや分骨証明書についても触れてみたいと思います。
記事の内容
ご遺骨を自宅や身の回りに保管して故人のお供養をすることをいいます。
実際には、ご遺骨の大半を墓所に埋葬して、一部のみを持ち帰ってお供養する人がほとんどです。
最近では、専用の小さな骨壺やペンダントなど、様々な形の手元供養用品が充実しています。
菩提寺や相談の出来る寺院のある方は、まずはご住職にお尋ねになるとよいでしょう。
ご使用される用品の形にもよりますが、お仏壇のある方は、お仏壇でのお供養方法に準じると思います。
お仏壇のない方は、ご遺骨にむかって日々の合掌礼拝が基本になると思います。
ペンダントタイプの場合は、身に着けることがお供養の基本になると思います。
ペンダントを身に着けることで、必然的にいつも一緒に行動しているような気持になります。
先ほど、「菩提寺に尋ねると良い・・・」「お仏壇のある方は・・・」と述べましたが、違和感を感じた人が多いのではないかと思います。
手元供養を選択された人の中には「お墓やお仏壇の代わりとして手元供養を選んだ」と仰る人もおられます。
手元供養をしている人は、お墓やお仏壇はいらないというのは全くの誤解です。
また、お墓やお仏壇のある人が手元供養をなさっても問題ありません。
「我が家では、お墓やお仏壇は必要ない」とお考えの人に、お墓やお仏壇をすすめている訳ではありません。
新しいお供養の方法ですが、手元供養はとても丁寧な供養の方法だと思います。
現状では、先ほど申し上げたような誤解があるせいか、手元供養を推奨する寺院様は少ないように感じています。
手元供養をされている人も、いつかはご遺骨を埋葬していただく時がやってきます。
少量であってもご遺骨に変わりありませんので、どこかの墓所に埋葬していただくことになります。
手元供養は、法的には分骨になります。
手元供養を始めるために、ご遺骨の一部を持ち帰る(分骨する)際は、公的な手続きは必要ありませんでした。
ただし、墓所に埋葬される際には、墓地管理者に分骨証明書の提出が義務づけられています。
分骨証明書は斎場(火葬場)が発行いたします。
ただし、地域によっては斎場の規模が異なりますので、事務手続きや発行を役場が担っている地域もあるのではないかと思います。
葬儀社のスタッフに分骨証明書の発行をお願いしておくと良いと思います。
火葬後に、火葬証明書(または埋葬許可書)が発行されますが、分骨証明書も一緒に発行されるはずです。
火葬をしていただいた斎場に、火葬証明書(または埋葬許可書)と身分証明書を持参すると申請していただけます。
自治体によっては、認印など上記以外にも必要なものがあるかも知れませんので、事前に斎場までお問い合わせください。
斎場の職員さんに、火葬した年月日を伝えて火葬の有無を調べていただく必要があります。
この場合は、身分証明書や発行手数料(数百円程度)などが必要ですが、申請に必要なものについては斎場までお問い合わせください。
埋葬に際に墓地管理者に提出した火葬証明書(または埋葬許可書)ですが、墓地管理者は5年間の保管義務がございます。
火葬した年月日が分からない場合は、墓地管理者に問い合わせるか、火葬証明書のコピーをいただくとよいでしょう。
手元供養のために、全ての遺骨を手元に残された方は、新たに墓所を探す必要があります。
過去に本骨を埋葬された方は、分骨も同じ場所に埋葬をされるケースが多いのではないかと思います。
仏教徒の人が埋葬する際には、本骨を埋葬した時と同様に菩提寺や新たなご縁のご住職に納骨法要をしていただきます。
以前、他の石材店さんと話をしたのがキッカケで、手元供養について調べてみましたが、とても丁寧な供養という印象を持ちました。
同時に、故人様と一緒の時間を過ごすことを希望されている人が多いことに驚きました。
時代と共にお供養も多様化して、ご遺族の寂しい思いが手元供養という新たな選択肢を生み出したように感じました。