最近の新聞で気になる記事に目が留まりました。

2022.10.14

京都東福寺霊源院の住職徒然記

最近の新聞で気になる記事に目が留まりました

ご主人を亡くされ、お子さん方は既に独立なされて、奥さんの一人暮らしの家庭。

その、奥さんがまだ比較的若い年齢、60代で病死なされ、1ケ月程、気が付かれることが無かったということです。ここ最近、孤立死が以上に増えていることはこの記事に限らず折に触れ報道されることがとても多いです。。そのような事態に至る理由は様々なようですが。

今回の報道の記事はご近所のお付き合いも普通にあり、お子さん方もお母さんを気にかけてはおられたようです。しかし、お亡くなりのお方が他者へコロナの感染に対して必要以上にお気遣いなされ、それを理由に周りへのコミュニケーションをご遠慮なされていたようです。

そのお気遣いと思いやりは尊いとは思いますが、少し過剰な気遣いの部分もあるような思いを致しました。

そのようにお気遣いの出来るお方様ですので、際限なく甘えられるお方とは到底思えません。ご近所、お友達、お子さん方へ「それなり」に甘えと頼る気持ちがあっても良かったのではないでしょうか。

ご近所、お子さん方、お友達の皆さんも当たり前に抵抗なく受け入れなされたのではないでしょうか。

少し残念な気が致します。

人が節度を保ち他者と関わりを致して行くことは確かに難しい部分はあろうかとは思います。

しかし最近の風潮としてお寺でも感じることの一つに、先祖守り、仏壇守り、お墓守りを残った家族、特にお子さん方に負担を掛けるのが忍びないというお方がとても多く、それが永代供養墓のように残された人たちの管理負担が少なくなるお墓を求めることの大きな要因になっていることは間違いありません。

或いは、仏壇は持たずにというお方が増えましたのもそこに由来致すと思います。

後継者、残された方々に出来得る限りに負担を強いないということは大事かと思います。

しかし乍ら、大事な故人、先祖の終の住まいのお墓、日々お手合わせ致す仏壇は必要であることはこれも間違いないと存じます。

何故なら、私たちはこの私一人で存在致すのではなく様々な方々、仏様、ご先祖との縁によりここにいます。

続いて来た縁によりこの私が此処におり、ご先祖から繋がる有難い申し送りも又、先祖、大事な故人からの贈り物です。その享けたご恩へ報いるということはあるべきかと考えます。

但し、あくまでも「ご自身の身の程」でなされれば良いことと存じます。

更には、ご自身が遠慮なされても、残られた方々は自身の身の程での先祖守り等はむしろしなくてはとお考えの方が多いのではないでしょうか。

くれぐれも過剰な遠慮に縛られることなく、コミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。

想いの深さが伝わるお墓参りです

奥さんが先にお亡くなりになられ、お骨納めをなされたお墓へお参りの方と頻繁にお目に掛かります。

これ程にお目に掛かるということを考えますと、お参りにお越しの間隔が相当短いことが想像できます。

お参りにお越しの度に先ずは雑巾でお墓を丁寧に拭かれ、花筒を綺麗に致し、花を手向け、線香を焚き、長い時間お手合わせをなさります。

暑い時も、寒い時もその頻度は変わりません。

埋葬なされている奥さんもお喜びのことと想像致しますと共に、ご主人の奥さんへの

想いの深さをしみじみと感じます。

香り高いコーヒーを楽しんでいます

お墓でご縁を頂きましたお方様からコーヒーを頂戴致し、朝の楽しみに頂戴致しています。

一人用のドリップで朝、台所で入れますと、台所中に良い香りが充満致します。

ご自身がコーヒーを売ってらっしゃるお仕事ですので、本当に砂糖、ミルク無しでも美味しく頂いています。

有難く、感謝です。

随分と寒くなり、このまま寒さが厳しくなっていく気配です、どなた様も風邪などひかぬよう御自愛下さい。合掌

  • 霊源院の竹内希元住職東福寺塔頭霊源院
  • 住職 竹内希元
  • 京都市東山区本町15丁目791
  • 電話 075-561-9684
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