故人の愛犬と共に、ご家族がお参りへお越しになられました。

2022.10.23

京都東福寺霊源院の住職徒然記

故人の愛犬と共に、ご家族がお参りへお越しになられました

先日、山門の前で掃き掃除を致していますと、ご夫婦が乳母車を階段の下から持ち上げておられましたので、「お手伝い致しましょうか」とお声掛け致しますと、大丈夫ですとのお返事。

中に入られましたのでこんにちはとご挨拶を致し、乳母車を覗きますと、中に老犬が座っていました。

奥さんと共に大切そうに階段を登って行かれましたので、何歳の犬ですかとお尋ねいたしますと、「18才」とのこと。

長命ですねとお返しいたしますと、老犬とこれからお墓参りへ行く故人との関わりをお話し下さいました。

お亡くなりのお爺さんが生前にとても可愛がっておられ、亡くなった後も、老犬が常にお爺さんのことを気にかけていることが伝わるんですということ、そして、お墓へ連れてくると反応が違うんですとのこと。

「何か、感じるのでしょうか」とのお話しでした。

お二人で参道をお墓へ向かわれましたので、ご挨拶を致しお別れ致しました。

人は死んだらそれでお終いではなく、思ってくれている人は間違いなくおられ、今も繋がっているということを老犬が教えてくれたような気が致します。

賑やかな法事もなかなか良いです。

コロナ禍が始まり既に3年を超えました。有難いことに少しずつではありますが収まる気配が最近は少し感じます。

しかし、未だマスクは手放せず、感染への用心は怠れません。

霊源院、龍眠庵にてご縁を頂いています皆さんからの法事のご依頼は変わりなく頂戴出来ており、皆さんとの繋がりも希薄にならず過ごせていることはお寺にとり何より有難いことです。

ここ3年は法事は皆さん懇ろにお勤め頂いていますが、さすがにお越しの皆さんの人数はやはり限定されています。感染防止を考慮致し、ご迷惑は掛けたくないというお気持ちを考えましたら致し方ないとは思いますが。

それでも、最近は大人数の法事も少しずつ増えてきたように感じています。

御親戚、故人のお孫さん等で賑やかな法事が復活の気配です。

本堂で故人を懇ろにお供養致し、引き続きお墓でご回向を致します。

以前はお墓でのお焼香も直ぐに終わってしまう寂しさが少しありましたが、賑やかにお焼香頂くのは又、良いものです。

お墓の中の故人も多くのお身内のお参りを喜んでおられるように感じます。

法事が終わり、料理屋さんから昼食をケータリングなされ、客殿でお召し上がりの皆さんも増えてまいりました。

故人の写真を上座に飾り、皆と共に召しあがられています。

お孫さんの成長、御親戚の最近の暮らしぶり等、普段は中々お話しの出来ないことが、故人の法事を「ご縁」にして、弾みます。

是も又、故人から廻らされる「徳」です。

最近は結婚式でさえも、家族だけとなり少し寂しくなってきているようです。

時代の流れで致し方の無い側面はありますが、葬儀、法事は出来れば関わりの密なお方様方にはご参集頂き、故人を思い起こしていただきたく願います。

寒さが急降下で来ています。

ここ数日の寒さは急降下の寒さです、寺の朝には中々辛い寒さです。

そして、庭の木々の色づきも急に進んでいる感じがいたします。

今は金木犀の黄色の花が芳香を放ち、紅葉の色つきと共に楽しみな時期が続いて行きます。

来月は霊源院、龍眠庵の特別御朱印の授与も行います、宜しければどなた様もお越し下さいましたら、嬉しく存じます。

暫く、身体が寒さに慣れるまでは気を許せません、どなた様も十分に御身体御自愛下さいますこと、ご祈念致します。合掌

  • 霊源院の竹内希元住職東福寺塔頭霊源院
  • 住職 竹内希元
  • 京都市東山区本町15丁目791
  • 電話 075-561-9684
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