「拝観」という言葉の重みを感じました。

2022.11.26

京都東福寺霊源院の住職徒然記

「拝観」という言葉の重みを感じました。

11月18日~30日迄、霊源院では恒例の期間限定で特別御朱印の授与を致しています。

筆字が達者なお方にお願い致し、大人数で御朱印をお受けしています。

皆さんに長くお待ち頂くことなく、御本尊様へお参り頂きたく思い、女性陣にお願いを致しています。

お陰様で連日、多くの皆さんがお越し下さりお寺の中が賑やかです。

手すきの時には私もお手伝い致しておりますが、多くの皆さんが客殿でお寛ぎの様子を拝見いたしますと嬉しくなります。

普段のお寺の景色とは違うからでしょうか。

そして、お越しのスタッフの進言の中で、朱印を授与致したら、必ず本尊様へお参り頂かねば御朱印の授与がありませんよね、という意見、そして、紅葉狩りへお越しの皆さんにも霊源院の千手観音様へお参りのご縁をお繋ぎ致す必要がありますよね、という御意見を頂きました。

貴重なご提言となりました。

お寺は先ずは、御本尊へお参り頂き、そして、気軽にお寺へお越し下さり、ご縁をお繋ぎ頂くことが何よりに大切との思いを、思い起こさせて頂くご意見となりました。

近年は東福寺の本山は勿論、多くのお寺が「拝観」という言葉を使い多くの皆さんにお越し下さるよう、様々にお声掛け為されています。

読んで字のごとく「拝観」、拝み、そして見る。

先ずは、そのお寺の御本尊様へ深い想いの合掌、礼拝を頂き、それからそのご本尊様をお守りのお寺の景色を堪能させて頂くことが、「拝観」です。

霊源院は多くの「有縁」、「無縁」の皆様に御本尊、「千手観音様」を礼拝頂く機会として、御朱印授与を企画致しました。

御朱印でご縁の皆様は当然にご本尊様と縁をお繋ぎ頂いておりますが、朱印を御希望の皆様以外の方々にも、お参り頂きたく、敢て、「拝観」は致さずに自由に本堂の御本尊様へお参りを頂いています。

どうでしょうと、思っておりました以上に、多くの皆さんが行儀よく、本堂へお参り下さり、「深々と、合掌礼拝」を致しておられます。

お手合わせの様子、真摯で、深いお手合わせが続いています。

これが、「拝観」なのだということを教えて頂きました。

お寺が、仏様とご縁を繋ぐ、段取りを、敷居を低く致し、解りやすくお伝え致しましたら、多くの皆さんは「物見遊山」ではなく、「拝観」を致して下さるのです。

改めて、「拝観」の言葉の重みを感じさせて頂きました。

嬉しい、お褒めの言葉を多く頂戴致しています。

先に述べております、特別御朱印の授与、多くのスタッフの皆さんにご協力を頂いています。

御朱印の授与の後、ゆっくりして頂く為に、女性陣が美味しい「番茶」を常に自由に飲めます様、用意下さり、席に座り、お茶と共に庭の紅葉を楽しんでいただいています。

又、朱印帳と交換の番号札は、自作で可愛らしいブックエンドとなるようスタッフの皆さんが御案内下さっています。

そして、皆さんがお帰りの時には、女性スタッフが、「良く、お参り下さいました」の言葉を忘れずにかけて下さいますと、皆さん、元気なお礼の言葉と共に御帰りになります。

そして、何人かのお方から頂戴致しました、嬉しいお言葉。

此処へお参りに越させて頂き、「幸せな気持ち、時間を頂きました」とのお言葉。

身に余る、喜びです。

拝観の言葉と共に、お参りにお越し頂き喜んで頂ける、お寺を目指す、何よりの励みの言葉です。

東福寺の紅葉もあと少しですが、今週は十分に、色鮮やかな紅葉をお楽しみ頂けそうです。

霊源院の御朱印と共に、是非、お越し下さい。合掌

  • 霊源院の竹内希元住職東福寺塔頭霊源院
  • 住職 竹内希元
  • 京都市東山区本町15丁目791
  • 電話 075-561-9684
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