東福寺霊源院指定石材店のオフィス石太郎です。
お隣の東福寺龍眠庵では、昨年より樹木葬墓地や永代供養墓の受付が始まりました。
今月も3件のお客様にご成約をいただき誠に有難うございました。
本項では、樹木葬の生い立ちやお墓としての樹木葬の変化について解説させていただきます。
そもそも樹木葬とは、土葬のように埋葬の方法を示す言葉だったと思います。
寺院所有の裏山に埋葬をし、そこに目印として植樹をしておりました。
そのことがテレビで取り上げられたことがキッカケとなり、多くの人に知られるようになりました。
偶然ですが、筆者もその番組を拝見しておりました。
番組では「墓石が不要なため費用を抑える埋葬ができる」「墓じまいの心配がないお墓」という内容が強調されていたように記憶しています。
新たなお墓として取り上げられているような感じでしたが、故人様をお供養する遺族の姿を番組からは想像できませんでした。
土葬の時代には、埋葬をした場所とは違う場所に供養塔を建ててお墓参りをする習慣がありました。
お墓は、故人様をお供養するために造るものです。
番組を拝見していた筆者は、「定期的なお参りが困難な場所でも、遺族か納得できる具体的なお供養の方法を、まずは伝えるのが先ではないか」と思いました。
もしかして番組を構成する上でカットされたのかもしれませんが、その時はテレビに映るご住職を冷めた目で見ていました。
埋葬の方法であった樹木葬ですが、新たなお墓として世間から受け止められるようになったことで、霊園や寺院でも徐々に樹木葬が造られるようになりました。
まずは、神戸市にある神戸聖地霊園の「樹木葬さくら」が霊園での樹木葬の先駆けとなり、区画中央に植えられた主木の周囲に埋葬する樹木葬の新たな形が出来ました。
樹木葬さくらは、地元紙に取り上げられたこともあって、沢山の方々に支持されるお墓になりました。
もともと公園墓地や霊園には沢山の方々がお墓参りに訪れる場所のため、樹木葬さくらが出来たことにより樹木葬は身近なものになりました。
霊園主導での合同法要など、今日まで続くお墓としての方向性を示した樹木葬でした。
最近では、五色台メモリアルパーク「森の墓園語らいの小径」や猪名川霊園「森の墓園みまもりの丘」など、区画周囲の環境をデザインした樹木葬が人気です。
寺院においては、埋葬された方々のお供養を重視する方向で樹木葬はお墓へと変わっていきました。
寺院では公園墓地のように周辺環境を大きく変えることはできません。
ただし、交通アクセスが良い場所にあることが多いことから、従来からのお墓参りの習慣に馴染んだ方々からの支持を受けるようになりました。
寺院での樹木葬の多くは、個別に埋葬できる小型の墓標での樹木葬を受付しています。
寺院での樹木葬の多くは、お墓の使用期限のある永代管理を採用していて期限満了後には墓地管理者による墓じまいが行われます。
永代供養墓にも採用されている永代管理は、お墓の使用中の墓地管理料が不要です。
事前に使用期限の設定があるお墓は、先々に家族に墓じまいの必要がありません。
寺院での樹木葬は永代供養の場合が多く、檀家でなくても本堂や墓前で埋葬された方々のお供養を定期的に勤めています。
寺院によっては、先々に一周忌や三回忌などの法要をしていただけるところもありますので、菩提寺のない方には心強い存在になるかも知れません。
東福寺龍眠庵は、最寄駅から徒歩6分で、お寺の前には東福寺無料駐車場があります。
交通至便な環境を活かす意味で、永代供養墓の期間と樹木葬の期間を別々に設定いたしました。
基本費用には2名様の永代供養料を含みますが、永代供養料を追加していただくことで人数制限なく家族のお墓としても使用していただけます。
お墓参りをする家族がおられる間は、墓地にある永代供養墓にお参りをしていただけます。
最後の人が埋葬されてから30年が経過しますと、苔が覆う境内の庭に樹木葬をさせていただきます。
東福寺龍眠庵では、交通至便な立地を活かすために、お墓の期間の後に樹木葬をさせていただくという独自の方法を採用いたしました。