永代供養墓と生前墓

2023.02.23

京都東福寺霊源院のお墓のコラム

永代供養墓と生前墓

東福寺霊源院指定石材店のオフィス石太郎です。

東福寺霊源院の隣にある龍眠庵では、昨年の5月より樹木葬永代供養墓の受付が始まりました。

本日は、生前墓を検討中のご夫婦が永代供養墓の見学にお越しでした。

永代供養墓の生い立ち

永代供養墓は、比叡山延暦寺大霊園(1977年4月開園)で生まれたお墓です。

まずは、永代供養墓が生まれた頃の経緯について説明いたします。

比叡山延暦寺は、日本仏教の総本山ともいえるお寺のため、お住いの地域を問わず沢山のご希望がありました。。

そのため、遠方にお住いの方が安心して建てていただけるお墓として生まれたのが、延暦寺大霊園の永代供養墓「久遠墓」です。

生まれた当初は、個人墓や夫婦墓が主体だったこともあって、主に後継者のおられない方々からの支持を集めていました。

久遠墓が出来るまでは、後継者がいない方々は合祀墓を利用される場合が多かったようです。

久遠墓の特徴ともいえる、子孫に代わって寺がお墓の維持管理をするということが、後継者のおられない方々にとっては、大きな安心に繋がりました。

永代供養墓が、新たなお墓として世間から認知されるにつれて、後継者のいない人のためのお墓というイメージが定着してしまった側面もありました。

後継者の有無に関わらないお墓選び

最近では、各寺院に建つ合祀墓(合葬墓)も、ホームページなどでは永代供養墓と表記されるなど、合祀墓と混同されている人が多いのではないかと思います。

永代供養墓をお求めになるお客様と話をさせていただきますと、下記のような特徴があります。

  1. お子さんはいるが、お嬢さんだけである。

  2. 男の子はいるが、遠方に住んでいる。

お子さんのおられない方が、東福寺霊源院の永代供養墓を求められるケースもありますが、上記の1と2のお客様がほとんどです。

都市部では、ほとんどのご家庭が1か2に当てはまるのではないかと思います。

後継者のいない人は先々の不安解消に、後継者のいる人は後継者の負担軽減に、永代供養墓は役立っているように感じています。

生前墓の役割

本日ご見学のお客様もそうでしたが、実家の宗派にこだわりがなく、無宗派に近い方が多いように感じます。

特に、ご自身の家庭内で葬儀をされていない生前墓のお宅では、宗派にこだわりを持っていない人の確立がグンと上がるように感じています。

お話をお聞きしますと、ほとんどの人が信仰心がない訳ではなく、お寺との出会いがなかっただけのように思います。

葬儀式の際に、葬儀社さんに寺院の手配を依頼する家族が多いことから、檀家にはなりたくないが、仏教での葬儀や法事を希望する人は、まだまだ多いように思います。

葬儀という故人様をお見送りする際に、お坊さんとご家族が初対面というのも、何とも残念な感じがいたします。

生前墓をお考えの方は、お寺との出会いも視野に入れた検討をしていただければ、色々な意味で後継者への負担軽減に繋がるのではないかと思います。

お墓を選ぶ際には、立地状況や墓地内の環境以外にも「檀家の条件の有無」や「お墓の維持管理が書かれた規程」を把握してください。

希望する条件をクリアしたお墓は、後継者の負担軽減に結び付くお墓の確保につながります。

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