良き「法事」の縁を頂けました。

2023.05.15

良き「法事」の縁を頂けました。

ご存知のお方もおられると存じますが、私は生まれが長野県の安曇野市です。

安曇野は「市」になって日は浅いのですが、安曇野自体はご存知の方が中々に多いです。ご縁のお方のお家へのお参り、お寺での法事の時、ご縁の皆様と生まれ育ったところのお話しになり、出身地を申し上げますと、「良い所ですね」と申して下さる方がとても多いです。その通りに、私は大学からこの年まで半世紀近く京都ですが、この年になりましても高校迄過ごした安曇野の地とそこで愛情深く育ててくれました、父、母、更にはおじいちゃん、おばあちゃんの眠っているこの地は殊の外深い想いの場所です。

ですので、常日頃も機会を造り、お墓参りと共に、妹に迷惑は掛けていますが、実家に戻り、良き日を過ごさせてもらっています。

そんな中、今回は5月に「母の7回忌」の為に帰省を致しました。少し時間の余裕を作り、前日は岐阜県周りで、奥飛騨の温泉へ一晩泊り、温泉と夜の晩酌も堪能致しました。

翌日、11時からの法事の為に、奥飛騨から上高地の下を通り、新緑の山間を清流を眺めながら実家へと向かいました。

家に着き、仏壇の間へ座りますと、妹が母の写真を仏壇の前に飾り、そのまわりを綺麗な花で囲んでくれておりました。

仏壇の前に京都から持ってゆきました、お供えを致し、7回忌のお勤めを頂戴致しました。その間、頭の中に高校迄、母、父に致してもらったこと、小さいころに妹と共に遊びにて連れて行ってもらった所のこと、又、楽しかった温泉地のこと、そして家から少し離れた松本市の町中で食事をさせてもらったこと、更には母が得意だったご飯など、次々と想いが湧きおこり、気が付けばお勤めは完了致しておりました。

その後、私も衣を着て、家族で少し離れた所にあるお墓へ向かい、墓前にて私が墓回向を致しました。

清んだ空気を胸いっぱいに吸いこみ、真正面にそびえ立つ「アルプスの山々」を眺めながら大きな声で読経致しますと、ほんの少しですが、父、母、ご先祖へ報恩が叶ったような心持となりました。

合掌、礼拝を致しながら本当に良き所で「縁」を頂いたと、両親、ご先祖に対して深い感謝の念に包まれることとなりました。

墓前回向が終わり、家へ戻り、妹が用意致してくれた食事を頂きながら、妹の家族の様子、近しい親戚の近況を聞きながら頂く、食事とお酒は至福の味となりました。一緒にその食事を食べる父、母はそこにはいませんでしたが、迷惑を掛けながらも、何時も丁寧に対応致してくれる妹家族との距離が一層近づき、これからも良き関係が末永く続きますようにとの想いが溢れる時間となりました。

母の菩提を願う年回法要であることが先ずもっての目的でしたが、逆に法事を通して、母から頂いた功徳の多さに改めて法事の大切さを再確認致すことが出来ました。

御縁の皆さんも法事を大切に致して下さっています。

今回、実家での法事のお話しを報告致しましたが、お陰様で霊源院、龍眠庵共にご縁の皆さんもご先祖の法事をとても大切に想い、お寺へお越し下さり丁寧に勤めて下さいます。

特に霊源院の御縁の皆さんはご遠方のお方が多いのですが、故人のお位牌、お写真を大切にお持ちになり、お寺で法事をお勤めなさります。

故人への想いの深さを感じ、喜びとなっています。

そして、法要の後は客殿にて料理屋さんから運んで頂いた料理を召し上がり、庫裏にいる私まで届く程の歓談の声が聞こえてきます。

おそらく、皆さんも私が先に実家の法事で感じたことと同様なことを想い帰路につかれるのだと思います。

お亡くなりの故人、ご先祖がこの世界に生きる私たちとを繋ぐ「糸」となる「法事」、お寺の為でもありますが、何よりご自身方にとって大切なものとして大事に致して言って頂きたく願います。

御縁の皆さんが喜びを持って法事をお勤めできます様、お寺の整備を致し、末永くお寺守りを致して参る覚悟です。合掌

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