故人が再びに繋ぐ、近親の縁。

2023.11.05

故人が再びに繋ぐ、近親の縁。

近世が江戸時代から明治、大正、昭和、平成、令和の時代を経る中で、私たちの住むこの日本という国は第一次世界大戦、第二次世界大戦と辛い時代を経ながら、先人の皆さんの努力により、平和な世界を私たちは有難いことに享受出来ています。世界を見渡せば、ウクライナ、ロシアの争い、直近では想像も出来ない、パレスチナの惨状と到底に思い描けない状況が続いています。

外国の惨状は少しでも早く、穏やかな日々が戻りますことを先ずは祈念致すことしかありません。

しかし、私たちが暮らしていますこの国は先達の皆さんの努力により、先ずは平和な、安穏の暮らしが何とか日々に担保されています。

この私たちの今の安穏な暮らしがありますのは、何度も申し上げ、くどくなろうかとは思いますが、先達(ご先祖)の皆さんのお力添え無しには無いことなのです。

そのご先祖のお力添えに感謝の想いを込めて、この日本では、敬うご先祖への報恩感謝の実践として、所謂、ご先祖の年回法要が当たり前に行われてきました。

この年回法要を可能な限りの親族へ連絡致しご随喜(喜んでご参加頂くこと)頂くことが、ついこの前までは当たり前でした。

しかし、近年は少子高齢化の現実により、法事へ近親の皆さんがお越しになることがとても困難になり、お葬式も家族葬と言われる有り様が当たり前になり、そして、縮小の上の儀式と共に、故人の法事も当に本当に家族のみにてお勤めを致すことがある意味でスタンダードになって来ています

法要へご参加の人数の少ないことをあげつらう心づもりは勿論ありません。。

只、故人の年回法要をするに当たり、可能な限りご出席の皆さんの選択を致し、出来ましたら近しいご縁の皆さんにお越し頂き、大事な故人のお供養を致すことは、当たり前であると共に、とても大切なことと考えます。

有難いことに霊源院は多くの皆さんとご縁を頂き、法事も日々忙しい程にお勤めさせて頂いています。

しかも、比較的多くの御親族がお越し頂きお勤めの法事が多いです。

しかも、法要の後の仕上げの食事も出入りの仕出し屋さんから皆さんが段取りなされ、故人の想いでのお話を致しながら長らく歓談致されている光景も珍しくありません。

そんな中、今回の法要で。

とても親しくお付き合い頂いています檀家さんのお身内の女性がご不幸となり、終生独り身を通されたということで、その女性の甥御さんのお二人が、ご自身の家族の如きの葬儀をなされました、そして四十九日迄、御遺骨をお預かり致し、その忌明けの日を迎えました。

当日の法要へのご参加はその甥御さんのお二人かと思っておりましたところ、想像以上の大人数にての法要となりました。

出席の何方も故人へ懇ろのお焼香、お手合わせをなさり無事に法要が終わりました。

その後、控室にて随分と長い時間、皆さんが歓談なされておりました。

法事の眼目は故人の追善法要が主であることは間違いないことですが、それと共に故人の法要を通して、普段はあまり近しくお会い出来ない者同士が、距離を縮めることも大事な所です。

その様な中、今回の法要で本当に嬉しいご報告を頂きました。

「故人の法要を致すに当たり、故人にとても近いお方の行方が解らぬまま、半世紀ほど経っていましたが、今回の法要の準備を致す中で、偶然にその、故人と近い方の行方が分かり今回お越し頂くことが出来ました」との甥御さんたちのお話し。

どれ程に、情報が無く、探しようがない中での「再びのご縁」。

法要後、皆さんが本当に嬉しそうにご縁の再開を喜んでいらっしゃることが、伝わって参りました。

故人が法要を通して、再びのご縁にて親族を繋げられたことを思いますと、そのような法事をさせて頂いた喜びと、法事を行う大切さを改めて思うことでした。合掌

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