東福寺霊源院指定石材店のオフィス石太郎です。
霊源院の隣にある龍眠庵では、今月から樹木葬付き永代供養墓「樹陵(じゅりょう)」の受付が始まりました。
「樹陵」は、昨年10月に受付を終了した樹木葬付き永代供養墓「四十一菩薩」の後継として出来たお墓です。
東福寺龍眠庵樹木葬や永代供養墓は、後継者の方の墓じまいの心配不要なお墓として生まれました。
本項では、「墓じまいの心配がないお墓とは?」を、樹木葬墓を例にとって解説させていただきます。
墓じまいとは、墓石など墓地内の工作物を撤去し、墓地管理者より許可を受けて使用中の墓地の場合は墓地を返還することをいいます。
墓地に埋葬されている遺骨がある場合は、墓じまいの際には他の墓所への改葬を伴います。
最近は、墓じまいをされる方が増えていますが、少子化や核家族化によってお墓の維持が困難な家が増えているのが原因のようです。
樹木葬とは?
樹木葬とは、土葬などと同様に埋葬の方法を表す名称です。
墓地の条件を満たした山林に、墓地管理者の許可を受けて焼骨を埋葬します。
樹木葬が生まれたのは最近のことです。
その背景には、後継者問題によって従来のお墓では維持が困難な状況がありました。
従来のお墓での使用者の義務
定期的な墓地管理料の納付
破損した場合の墓石の補修
維持が困難な場合には墓石の撤去と墓地の返還
今までは、当たり前のように次世代に引き継いできた「お墓を維持する義務」ですが、少子化や核家族化が進む中では、1と2が困難な場合には3の墓じまいをするしか選択肢がありません。
このような時代背景の中で、生まれて皆様の注目を集めたのが墓石を建てない埋葬である樹木葬でした。
条件を短期的に考えた場合は、墓地を承継する後継者がいて義務に努めることが出来るお墓だと墓じまいは不要です。
長期的に考えた場合は、墓じまいの不要を規程した墓地使用規程のあるお墓を選ぶ必要があります。
主だった条件としては
永代管理で定期的な墓地管理料の納付が不要
墓石の補修は墓地管理者が行う約束のお墓
使用期間の設定がある場合は墓地管理者が墓じまい作業を行う約束のお墓
墓じまいをしないことが約束されたお墓(永久墓)
次に紹介する樹木葬墓の多くは、これらの条件を盛り込んだ墓地使用規程を採用しています。
インターネットなどでお墓の検索をしますと、樹木葬や永代供養などという文字が目につくのではないでしょうか。
これらの樹木葬は、霊園や寺院の境内に造られた樹木葬墓がほとんどです。
霊園によって様々なものがありますが、樹木葬墓の多くは個人・夫婦・家族ごとに埋葬可能な小型のお墓です。
最近では、樹木葬に変わって樹木葬墓が沢山の方々に支持されています。
樹木葬墓が支持される主な理由
維持費が不要(永代管理)
霊園や寺院による定期的なお供養(永代供養)
一般的なお墓参りが可能
街中にある墓地は交通アクセスが良い
墓じまいの費用が不要または心配がない
多くの霊園や寺院で樹木葬墓の受付をしていますが、中には上記の項目に当てはまらない場合もあります。
本来の樹木葬は山林などに埋葬することから、交通アクセスやお墓参りの方法などで、日々のお供養に支障が出てしまうこともあったと思います。
従来のお墓の問題を解決するために生まれたのが樹木葬でしたが、樹木葬の立地的な問題や、お花・線香のお供えなど日々のお参りを考慮して生まれたのが樹木葬墓です。
樹木葬墓の多くは、墓地の使用期限を有期間にしていることが多いのですが、この場合は期間満了時に墓地管理者が墓じまいをする約束になっています。
一昔前は、永代供養墓は後継者のいない方が建てる特別なお墓という雰囲気がありました。
しかし、この20年で永代供養のお墓の需要が急に高まってまいりました。
終活をする人が増えたことが理由の一つだと思いますが、各霊園や寺院が樹木葬墓のメリットを発信するようになったことも影響しているのではないかと思います。
このような発信を目にされたことで、墓じまいの不安の解消や、今まで不透明だった寺院との距離感など、徐々に解決されているように感じています。
東福寺龍眠庵の樹木葬墓や永代供養墓を見学のお客様からは「こんなお墓を探していたんです」とのお声をいただくこともあります。
龍眠庵では、毎年9月に総回向法要を行いご家族と共に故人様のお供養をさせていただいております。
少子化や核家族化ではありますが、その時代に応じた「お供養の形」として、これからも樹木葬墓や永代供養をおすすめしてまいります。