漸く、金木犀の香が

2024.10.20

漸く、金木犀の香が

厳しい暑さも、何とか峠を越えたでしょうか。

思い起こせば、且つては今年は暑かったですねと言いながら、次の年は冷夏であったりしましたので、毎年の天気に関する口に上る言葉も変化がありました。

しかし、ここの所何年かは毎年、厳しい暑さですね、今年は特に暑いですねという言葉が当たり前になりました。

後戻りの無い暑さ、異常な天気は地球全体の問題で本当に深刻なことと思います。

私の息子たち、水子供養へお越しの若い世代の皆さんが我々と同じく、この良き環境の中で人生の時を安心致し刻んで行けるためにも真剣に環境のことを議論し、前向きな対策に向かわねばならぬ時が来ていると思います。

日本は今、選挙の真っただ中です、選ばれたリーダーの方々良き決断、お力に想いを寄せたく思います。

勿論、私たちに出来る努力は継続致して行くことは大前提ですが。

さて、10月の小春日和を超えて残暑の京都、雨も少なく庭の樹木も悲鳴をあげていました。昨日の雨で緑の艶がようやく戻って来ました。

そんな中、送れていた曼殊沙華の花が終わり、やっと金木犀の香りが香って来ました。

参道を歩きますと他の花には無いあの強い香りが香しく届きます。

遅れ、遅れですが漸くに秋の入り口が見えてきたような気が致します。

ところで、日本では「桂」と書きますと落葉樹の「カツラの木」ですが、中国では常緑樹の「モクセイ」になります。

唐代の七言絶句を読みますと、頻繁に香りの強い樹木としての「桂」が出てきます。

新聞からの情報ですが、水墨画のような風景で有名な都市「桂林」の名前もそちらにちなんでいるそうです。

更に新聞から響きの良い詩が紹介されていますのでご紹介致しておきます。

その「桂」(モクセイ)を織り込んだ秋の詩の一節です。

「中庭地白うして樹に鴉棲み:冷露声無桂花を湿す」(ちゅうていしろくして、きにからすすみ:れいろこえなくけいかをうるおす)。

月の光に庭は輝き、冷ややかな露がモクセイの花を濡らすと。

小さな花ははっきりとは見えないけれど強い香りを感じられているという風情が伝わって来ます。

中国の漢詩の美しい奥深さを感じますと共に、金木犀の香りの新たな魅力を教えて頂きました。

現在龍眠庵の住職を致しています師匠も金木犀の香りが好きですので、霊源院の庭にも多くのモクセイが植えられています。

特に、お墓へ参ります参道、地藏堂前の角に有りますモクセイは丁度香りを届けてくれる位置に有ります。

お墓参りの節には、是非、その香りをお楽しみ頂きますと共に、先にご紹介致しました、中国の漢詩の意味を思い浮かべて頂きたく願います。

しかし、来週には暑さが又戻るとのお話しも有ります、「冷露」は今暫く先のこととなるやもしれません。

随分と物騒な話が続いています

ご縁の皆様の所へお邪魔致し、お勤めの後のお話しに、最近の強盗事件の怖さがよく話題として出ます。

本当に若い人が軽率に関わっている怖い事件が実際に多く有ることは嘆かわしく、怖さの極みです。

空き巣被害のお話しも普通に身近で聞く機会が多いです。

先ずは、自身の身を守ることが大切ですが、我がこととして、防犯の意識を持ち暮らすことからかと思います。

今暫くは気候の温度差も続きます、体調に留意頂きますと共に、どうか防犯にも気を配られ日々の暮らしを頂きます様、祈念致します。合掌

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