思い起こせば、昨年の猛暑の時、永代供養墓のご縁の皆さん、檀家さん方と法要でお会い致しました時、今年の暑さは凄いですねと言っていました。
それがどうでしょう、一年前のことはすっかり忘れ、今年の夏の暑さがどれ程であったか今更ながら思い起こしています。
「今年の夏も」兎に角暑い夏でした、しかもその夏が10月迄厳しい残暑として続きましたね、流石に11月は秋の涼やかで過ごしやすい日々だよねと信じて疑いませんでした。
ところがどうでしょう、紅葉の季節、本山も含め忙しくなり、霊源院も毎年恒例の御朱印授与の用意に追われると思っておりましたら、暑さが続き、紅葉の色付く気配は全くない状態で11月も早中旬。
本山のお勤めで通天橋を通り、横目で橋の下の紅葉を見ますと、青い葉っぱが殆どという状況。
今年は錦の色付きと会うことは無理かと思う、天気が続いています。
さて、大学の時の友達が神奈川から京都へ夫婦で紅葉を見に来るとの連絡。
一向に色付きは進んでいないのでもう少し後に来たらと提言致しましたが、ホテルの予約もあるので、変更はせずに来たいとのこと。
ならばと待っていました、その間水子供養へお越しの他府県の皆さん、法事にてご縁の皆さんに紅葉情報の提供をお願い致しました。
そんな中、福井から水子供養へお越しのお二人から、このお供養へ来る前に少し早く家を出て、京都の右京区、京北にある「常照皇寺」(じょうしょうこうじ)へ行ってきたんですよとのお言葉。
紅葉の感じは如何でしたかとお尋ねいたしますと、人出はとても少ないのに、境内の紅葉は錦のピークでとても綺麗で、満足しましたとのこと。
何とも良きお話しを伺えましたと感謝を申し上げ、心は既に友達をそこへ案内と決まりました。
翌日、次男の副住職にお寺の留守番、御朱印の授与を依頼致し、友達の奥さんと三人にて、右京区京北の「常照皇寺」を目指すこととなりました。
市内を抜け、此方も紅葉で有名な高尾の辺りを走りますと、確かに市内とは違う空気、温度を感じることでした。
車の窓を開けますと、高尾の山並みと共に、錦に混ざり、黄色の鮮やかな樹木が目に飛び込み、ヒンヤリとした空気が頬を指し、心地良い空気が車に入って来ました。
今暫くは走る距離ですが、目的のお寺のの景色に期待を持てる周りの様子となりました。
暫くは、つづら折りの道を綺麗な空気を頂きながら気持ち良く走りますと、目的のお寺へたどり着くことが出来ました。
車を降り、三人連れ持って、門を潜り、苔むした古い参道を暫し、「ふうふう」と言いながら歩きますと目の前に紅葉の大木が、そして、反対側から射し込む太陽に「きらきら」と輝く紅葉に出会うことが出来ました。
皆で「綺麗」という言葉を発しながら暫し写真を撮ることでした。
境内の冷ややかな澄んだ空気、輝く錦の紅葉、暫くは至福の時間を過ごさせて頂くこととなりました。
何時も、ベストな状況の紅葉を当たり前に見れると思っていた身には本当に今年の紅葉は記憶に残る紅葉となりました。
私達は、自身の身の周りに起こること、見れる景色、様々なことを変わらずに何時も「ある」と思ってしまいます。
しかし、自然のことも含め、何回もお話し致して参りましたように、「諸行は無常」です。
他者との縁の繋がり、日々の中での起こっていることに対して、改めて当たり前にそれがあるとは思わずに、「感謝」を持ち全ての事に対して行かねばと輝く紅葉を見て思うことでした。合掌