墓石の豆知識「御影石」
東福寺霊源院墓地の永代供養墓にも「御影石(青御影石・黒御影石)」が使われています。
関西地域で墓石として一般に使われている石の大半は「正確には花崗岩」といいますが、銘石にちなんで「御影石」と呼ぶようになりました。
兵庫県神戸市東灘区に御影という地名があります。
以前、この地域で採れた石は「御影石」と呼ばれ、良質な墓石用の石材として広く流通していました。
そのような背景の中で、墓石用の花崗岩のことを皆が自然と御影石と呼ばれるようになりました。
墓石店の広告等では、本家の御影石と区別する為に「青御影石」・「白御影石」・「黒御影石」など、少し名前を変えて紙面に載せたりしています。
本家の「御影石」につきましては、今はほとんど取扱いがないようにお聞きしております。
国産青御影石の代表選手「愛媛県産 大島石」
前置きが長くなってしまいましたが、このたび日本石材センター株式会社さんより、愛媛県産の銘石「大島石」の貴重な資料をいただきましたので、「墓石ができるまで」を写真付きで説明させていただきたいと思います。
大島石は、吸水率が低く、ツヤもちの良い石として、古くから関西地域を中心に使われています。
国会議事堂には大島石が採用され、また鎌倉時代に造られた大島石の供養塔も現存しています。
長いページではございますが、ご興味のあるお客様は「墓石ができるまで」をご覧ください。
墓石が出来るまで(原石~出荷)
原石の採石場(墓石業界では採石場の事を「丁場」といいます)
良質な石の岩盤層では地中深くまで掘られ採石されます。
丁場によっては穴の途中に数台のクレーンがあり、巨大な原石を何度にも分けて吊り上げ採り出します。
ジェットバーナー(酸素とアセチレン)を使い岩盤から石を切り離していきます。
バーナーを使うのは、効率よく石を採りことができ、ヒビ割れなども起こりにくくなります。
石を丁場から持ち帰った写真です。
見え難いのですが、写真の中央上部に緑色と白色のタバコの箱が置いてあります。
タバコと比較していただきますと、その大きさが解りやすいと思います。
さらに運搬のできる大きさに石を割ってから、加工工場に移動されます。
お客様からのご注文によっては、4メートル近い原石もあります。
石をどのようにして切るのか?ご存じの無い方も多いと思います。
水を掛けながら人口ダイヤモンドの付いた刃の道具を使い切断していきます。
写真のものは、「大口径」と呼ばれ、最も大きなサイズのものは3メートル60センチもあります。
水を掛けながら刃を回転させ、ちょうどこれから切断作業が始まるところです。
キズなどをチェックしてから、次の工程に進みます。
石の種類や加工の工程によって、使用する機械を変えて作業を進めていきます。
切断された石は、次に磨き工程へと進められます。
ここでも、水を掛けながら作業を行いますので、寒く厳しい作業になります。
機械の圧力や回転数を調整しながら石に光沢をだしていきます。
全ての工程で、入念なチェックが繰り返し行われます。
水平や直角には十分に注意をはらいながら歪が無いように光沢をだしていきます。
研磨をするときに用いる樹脂板です。
写真の7~8枚の樹脂板を用いて光沢を出していきます。
写真では研磨作業を終えた「大阪型墓石の水鉢」に水溜めを作るために、手加工を施しています。
地方によってお墓の形が違います。
ご注文に応じたお墓の装飾を手加工で施している写真です。
手加工の際に使うグラインダーや砥石です。
3~4種類の工具を使い分けて仕上げていきます。
7~8枚の樹脂板を使い、細部は手磨きで徐々に光沢をだしていきます。
細部を慎重に手磨きをしながら光沢をだしていきます。
写真では、磨き残しがないように色を付けて作業をされています。
手磨き作業を終えますと、文字の彫刻の準備に入ります。
石の表面にゴムを貼り、彫る部分だけをカッターで切り取っていきます。
彫る際には、表面にカーボン粒子を吹き付けるため、彫らなくていい部分は全てガムテープで覆いマスキングします。
カーボン粒子が飛び散らないように、箱の中での作業になります。
ガラス窓越しに彫刻する部分を見ながらの作業になります。
手の先にある白っぽいノズルから、彫刻面にカーボン粒子を吹き付け、少しずつ石を削りながら掘っていきます。
文字が彫り上がったところです。
最初にカッターでゴムを切り取った部分だけが削られ、きちんと彫られています。
全てのチェックをクリアした墓石だけが、荷造りされ各地へ配送されます。
東福寺霊源院墓地指定墓石店
オフィス石太郎 柳田貴人