今回も大学生の方からいただいたコラムを掲載させていただきます。
テーマは、霊源院の宗派でもある臨済宗についてです。
皆さまの中には、「臨済宗について詳しく知りたい」とお考えの方がいらっしゃると思います。
臨済宗には、いったいどのような特徴や歴史があるのでしょうか。
この記事では、臨済宗の基礎知識や歴史に関する説明や臨済宗の供養の特徴について紹介します。
臨済宗について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、臨済宗の基礎知識や歴史について紹介します。
臨済宗とは日本三代禅宗の1つなので、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
実は、この宗派は日本の仏教における代表的な禅宗の中の1つなのです。
臨済宗は、栄西(平安時代末期~鎌倉時代初期に禅僧として活躍)によって、鎌倉時代初期に日本国内に伝えられました。
そのため、この宗派は「鎌倉新仏教」として数えられます。
もともとは中国禅宗五家の1つでしたが、日本において現在では妙心寺派や南禅寺派などを含む14の宗派があります。
臨済宗では、悟りを開くために坐禅を行います。
そして、「悟りを開けば自力で浄土へとつながる」という考え方をしています。
一方で浄土宗などの宗派は、「座禅ではなく念仏を唱えて他力で浄土へとつながる」という臨済宗とは異なる考え方を持っているため、葬儀の流れや意味などに違いがあります。
臨済宗で行う葬儀は、「故人が仏様の弟子になって修行をして、仏性に目覚めるために行う」とされています。
お通夜が行われる際には般若心経が読まれ、お葬式の際には宗門安心章や観音教などが読まれるのが一般的です。
次は、臨済宗の供養の特徴について紹介します。
臨済宗では法要を行った後に、卒塔婆(そとば:板塔婆)を立てて供養をするのが一般的です。
卒塔婆とは、サンスクリット語の「ストゥーパ」という言葉を漢字に変換した言葉ですが、普段は略して塔婆(とうば)と呼ばれています。
お墓に立てる塔婆は、供養塔としての目的があります。
卒塔婆オモテ面の上の部分には、5つの梵字が書かれたり、お経の文章に出てくる「平等性智」や「大円鏡智」などの言葉が書かれる場合もあります。
それらの文字の下には、故人の供養の趣旨が書かれています。
一方で、裏面には供養を行う主の名前や年月日が記載されます。
この際には、禅宗独特の言葉である禅語が使われる場合もあるので覚えておきましょう。
この記事では、臨済宗の基礎知識や歴史に関する説明や臨済宗の供養の特徴について紹介しました。
臨済宗には、紹介したような特徴や歴史があるということを覚えておきましょう。
ご不明な点等ございましたら、霊源院までお気軽にお問い合わせください。
京都市東山区 大本山東福寺塔頭霊源院