例年に比べまして、昨年末より急に葬儀のご依頼が続きました。
ご依頼をいただくのは、お檀家さんや永代供養墓を通じてご縁をいただきました、以前より寺とご縁のある皆さんのお宅です。
やはり存じ上げた方々がお亡くなることは住職としましても、ただただ寂しいばかりです。
生前にお世話になりましたご恩に感謝をいたし、懇ろな気持ちで葬儀式をさせていただきました。
核家族が当たり前の時代を迎えますと、結婚や就職を機にご両親とは離れて暮らすご子息がほとんどです。
若い世代の皆さんは子育てや仕事に追われる日々の中では、両親や兄弟へのお気遣いはなかなかに行き届かないのが現実かと存じます。
今は病院でお亡くなりになる人が多いようですが、自宅でどなたにも看取られること無くお亡くなりになられる孤立死が増えてきているように感じます。
そんなとき私達、家族はどのような対応を取るべきなのでしょうか。
ご存じの皆様も多いかとは思いますが、私達の覚悟の再確認という意味で考えてみたいと思います。
先ずは、お医者さんによる死亡の確認が必要になります。
お亡くなりになられたことが明らかな場合でも、むやみに故人へ触れてはならぬそうです。
かかりつけのお医者さんへ先ずは連絡を取らなければなりません。
お亡くなりになられて時間が相当に経過なされているときは警察へも連絡せねばなりません。
この場合は行政解剖を受ける事となります。
この時、行政解剖を受けると大事な故人のご遺体が損傷されるとご心配のお方もおられます。
最近は、ご遺体の修復技術が発達致しており、故人の尊厳が傷つけられることは無いとお聞き致しました。
しかも、故人の死因を突き止めることは故人の尊厳を守ることにも繋がります。
警察や医師の指示に従うことが大切です。
医師による死亡が確認されますと死亡診断書が発行されます。
無くなっているのが明らかでもこの診断書が無ければ葬儀を行うことが出来ません。
今日では9割以上の人が病院でお亡くなりになりますが、中には自宅で息を引き取りたいと願うお方もおられます。
そのような希望を前もって家族が聴いておられる場合は、静かに臨終に立ち会う事が出来る様に、かかりつけのお医者さんへの連絡方法を確認いたしておきたいものです。
先にお話致しました「孤立死」ですが、お檀家さんや永代供養墓の皆さんからも、このようなことをお聞き致す機会がございます。
孤立死をされた場合は、検死から故人がお戻りなられるのに時間が掛かります。
訃報をお聞きいたしてから随分と時間が経ってから、葬儀式のご依頼を頂くことになります。
お戻りになられたご遺体を前に、ご遺族とともに葬儀式をさせていただきました。
事情によっては、先に火葬に付さねばならぬ時も発生致すかと存じます。
その時は火葬を済ませたのでということで、葬儀式を行えないと考えがちではないでしょうか。
お骨葬(こつそう)とは、霊源院の本堂にお骨をお祀り致し、ご家族が見守る中でお勤めをする葬儀式です。
詳しくは霊源院のホームページでも紹介を致しております。
希望をされる方には、忌明け(四十九日)まで本堂でお骨をお預かり致す事も可能です。
故人の尊厳をお守り致し、残されたご家族が安堵なさることは、とても大切なことだと思います。
お骨葬について、わからないことがございましたら遠慮なくお尋ねください。合掌